
クルマ好きの男は浮気をしない。これは、かなり高い確率で本当だ。
なぜなら、クルマ好きの男にとってはクルマが最高の彼女だから。
「うちのダンナとこないだ、クルマに乗って買い物に行ったんです。信号で止まっている間、前方を見つめたままダンナがニタ~ッとほほ笑んでるんで、タイプの女の子でも通りかかったのかと彼の視線の方向を見たら…。クルマだったんです。新車。ダンナが今乗ってる車種の一番新しいやつ! 信号待ちの間中、正面に止まったクルマを見たまま幸せそ~に笑みを浮かべてる姿を見て、この人、よっぽど車が好きなんだって思いました。」
エンスーを夫に持つ奥様方、安心めされ。エンスー夫は、今どきの若いギャルなど見向きもしない。するわけがない! 彼らが目を光らせているのは、好きな車種のニューモデルか、ショールームの展示車だ。
「聞いてくださいよ。彼とデートのとき、クルマから降りようとして、たまたま私の上着の金具がクルマに当たったんです。そしたら彼、みるみる不機嫌になって『クルマに当たらんように気をつけてくれる?』ですって! 当たったのはほんのちょっとですよ。傷なんてつくわけないのに、私とクルマとどっちが大事なんって思いましたよ。も~、ぷんぷん。」
甘い! 新婚だけに甘すぎる! カチッとクルマに何かが当たる音がしただけでも過剰に反応するのがエンスー男というものだ。「このくらい大丈夫でしょ」という妥協は、もはや彼らにはない。女房も大事だが、クルマも大事。クルマのためなら女房も泣かす…ことだってあるかもしれない。あぁ、B子の新婚カーライフの行方はいかに!? エンスーの妻として健闘を祈るばかりだ。
エンスー夫は、一家に二台クルマを持っていることも多い。家族での移動用に使うファミリーカーと、自分用の趣味のクルマだ。休日は自分のクルマのお手入れに忙しい。ボディをぴかぴかに磨きあげ、タイヤをチェックし、ここをいじり、あそこをいじりと、とにかく自分のクルマの面倒見は極めてよい。だって、彼女だもん。物言わぬ女体(ボディ)に向かって心で語りかけるエンスー夫。あぁ、世界は二人(正確には一人と一台)のためにあるのね。
エンスー夫を観察していると、二つのタイプがあることに気づく。こだわりの愛車一台をとことん、かわいがるタイプと、買ったらまた次のクルマがほしくなる目移りタイプ。
とことんタイプの中には、今では誰も乗らないような古い型式のクルマを、ひたすら自分仕様にいじりまわすケースも。コレと決めたら、一途に愛しぬくタイプだ。
一方、目移りタイプは手に入れた途端、熱が冷めるらしく、また新たなクルマを物色し始めるというパターンが多い。しょっちゅう買い換えているので、お金がかかって仕方がないのが妻としては難である。
ま、ギャルに入れあげて身を滅ぼす危険性を考えると、クルマで済めば安いものか…。