愛すべきエンスーたち

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エンスーとは


「クルマでわかる!? 男の性格」

わたくしごとで恐縮だが、過去に10回ほど見合いをしたことがある。かれこれ10年以上前の話だが、私、20代後半、相手の男性は30代前半から半ばというケースがほとんど。見合いのパターンとして、まず、最初に親同伴でホテルやレストランで顔合せをし、頃あいを見て世話人さんが「じゃ、あとは若い人たちで」と告げると相手の男性のクルマでドライブ、というのが定番だった。

当時、私の見合い相手の男性達が乗っていたのが、そろいも揃って同じ車種の高級車。10人中8人がそうだった。当時でも、30代の男性よりはむしろ、その親世代が乗るステイタスあるクルマだ。その頃、ツードアハッチバックを乗り回していた私にはおそれ多いクルマで、思わず「土足で乗ってもいいですか?」と聞きそうになったものだ。

同じクルマに乗る彼らには、ほかにも共通点があった。
年齢は30~35歳。仕事は会社員や自営業といろいろだったが長男で、いずれは家のあとを継ぐ身。地元の大学卒で、大学へは実家から通い、一人暮らしの経験なし。温和な性格で、人当たりも良い。彼らは、専業主婦の母親に身の回りの面倒はすべてみてもらっているらしく、長男として大事に育てられましたオーラが漂っていた。ガツガツしていないのだ。親の言うことに素直に従い、大きく道をはずすこともない。だからこそ、手堅く見合い結婚を希望したのだろう。

彼らが乗る高級車が、そんな彼らの性格というか傾向を如実に表していたように思えてならない。自分で手を加えることもなく、すでに装備された安定した静かな走り、どこに行っても恥ずかしくない揺るぎないブランド車に満足を覚える良家のご子息。見合いで同じクルマを目にするたび、私は「あ、また…」と心の中でつぶやき、助手席に乗ることを何度ためらったことか。分不相応なのである。

おそらく、彼らのうちの誰かと結婚していたら、間違いなく安泰で平穏な結婚生活が送れたことだろう。しかし、当時の私には、遠い人たちだった。そして彼らが求めていたのも、私のようなじゃじゃ馬タイプではなく、もっとラグジュアリーな楚々とした女性だったに違いないのだ。

結局、展示車の黒の中型車を払い下げてもらい、嬉々として乗っていた今の夫と結婚(見合いです)。彼に言わせると「クルマは道具。とりあえず動いて、乗れればOK」。しかし、タコメーターだけはついてなくちゃ嫌で、AT車よりもマニュアル車を好む。運転している実感がほしいのだそうな。

男が好むクルマの好みは、好む女のタイプに通じるものがあると思う。見た目のデザインと言うより、こだわる部分とか好きな理由が、好む女性のポイントと似通っている気がする。
とすると…うちの夫にとって私は「実用的な女」ってこと!? なんだかなぁ。

あ、ちなみに、見合いした10人のうち8人が同じブランドの高級車、1人が普通車の夫で、残る一人は…クルマを持っておらず私が自分のクルマ出してドライブしました。とほほ。