愛すべきエンスーたち

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エンスーとは


「エンスーの妻たちのため息」

エンスー夫を持つ妻を何人か知っている。今回は彼女たちから聞いたエンスー夫のエピソードをご紹介しよう。

エピソード1:レジェンドになったエンスー夫

社宅住まいのR夫妻はまだ新婚。会社も実家も社宅から近いこともあり、若い二人が所有していたのはごく普通の軽自動車だ。夫のRさんは普段は自転車通勤、車は主に奥さんが近所へ買い物に行くときなどに乗っていた。こうして書くと、清く正しく慎ましやかな新婚夫婦だが、唯一、人と少し違っていたのはRさんの趣味がダートだったこと。自家用車は軽でも、週末は改造しまくった車で道なき道を走り回るダート野郎、それがRさんのもう一つの顔だった。しかし、奥さんは週末ダートに燃える夫をよそに、レースにも車にはほとんど無関心。乗れればOKと、軽自動車ライフに満足していた。
そんなRさん夫妻だったが、まもなく奥さんがご懐妊。妻の妊娠を知るや、喜び勇んだRさんは速攻である行動に出たのだった。それは……
妊娠した妻のために、なんのためらいもなく安全性で名高いドイツの名門車をポンと一台購入したのだった(中古だったが)。日常、なんやかやと車を運転することの多い妻を気遣い、もしものことがあってはいかんと考えたうえでの決断だったらしいが、この話はみるみるみる社宅中に広まり、奥様方の間では「車好きもダテじゃない、妻思いのRさん」伝説となり、いまだに語り草となっている。
が、当の奥さんは困惑気味。「いきなりこんなでっかい車あてがわれてもねぇ」とこぼしていた。

あ~、なんと贅沢な悩み!

エピソード2:落としてしまったエンスー夫

郊外の一軒家に住むK夫妻。子供は三人。小一を筆頭に幼稚園年中と3歳児。まだまだ手のかかる年齢だ。普段、子連れでの移動には奥さんがミニバンに乗車、Kさんは通勤用に中古の軽自動車を購入し使っていた。ところがある日、その軽が故障。あえなく買い換えることになった。

そのとき事件は起こった。

車の買い換えに用立てたお金で、Kさんは当時ハマッテいたネットオークションで探し当てたというバリバリのスポーツカーPを競り落としてしまったのだった(やっぱり中古だが)。数日前から、夫が熱心にパソコンに向き合っている姿を見て、車好きの夫が次の車を決めるためにあれこれネットで物色しているのだろうくらいに軽く考えていた奥さん。まさかオークションで、しかもよりによって真っ赤なPを落札しようと夫が躍起になっていたとはつゆしらず、「これ買うから」とパソコン画面の車をいきなり見せられたときは卒倒しそうになったとか。

かくしてK夫妻の家には、白いミニバンと真っ赤なPが仲良く並ぶこととなった。最初は嬉々としてPで通勤していたKさんだったが、それまで乗っていた軽自動車とあまりに燃費が違いすぎ、早々にリタイア。結局、車の運転頻度が夫より少ない奥さんが幼児二人を乗せ、Pを運転することに。
「近所のスーパー行くだけでも目だってしょうがないわよ。しかも子連れで」と奥さん。しかし、そんな妻の姿をよそに、Kさんは週末ともなるとオークションで入手した部品の交換やら取り付けで、Pをいじるのに忙しい。あ~、エンスーの妻たちの嘆きは深い!?