
「ジャグワー」。
娘時代、五木寛之先生の小説にその単語を見つけたとき、「なんじゃそりゃ?」と思った。
乗ったこたぁなかったが、Jaguarという車種くらいは小娘の私だって知っていた。でも、なんでフツーに「ジャガー」と呼んじゃいけないの?
最近、読んだ週刊誌のコラムには「ジャギュア」とあり、ひっくり返った。自動車ライターの渡辺敏史氏のコラムにその言葉を見つけたとき、それが車名であることすらしばらくは気づかなかった(氏によると、イギリス人がジャガーと言う時の発音をカタカナ化したのがジャギュアなんだそうな)。
シロウトからすると「なんでわざわざそんな奇妙な言い方するんかな~」と思うのだが、どうやら車好きの男性には、車の呼び方にもこだわりがあるらしい。
つい最近も、知り合いの男性からのメールに「メルツェデス」とあり、一瞬打ち間違いかと思った。「メルセデス」じゃなくて「メルツェデス」。確かにその方がドイツ車っぽい。でも、口に出して「メルツェデス」とは、私、きっと言えない。うまく発音できないし、なんだか照れる。フツーに「ベンツ」って言っちゃダメ?
帰国子女で、今も海外でばりばりビジネスしている女友達はLexusを「レキサス」と言う。これも、最初聞いたときは何のことだか分からなかったが、英語ぺらぺらの彼女が言うととってもかっこよくキマるのだ。
Mustangは昔「ムスタング」、今「マスタング」。知り合いのおじさんに「マスタングがねぇ…」と言ったら、「そりゃムスタング言うんじゃ」と注意されたことがある。時代変われば、呼び名も変わる?
いずれにせよ、車の呼び名にこだわる人は、よりネイティブっぽく発音することを目指すようだ。
「ジャグワー」にしろ「メルツェデス」にしろ、それだけ外国語や立体的な発音が日本人の間にも浸透したということだろう。
だって、昔のおじさんたちは「ボディ」は「ボデー」、「ディーゼル」は「ジーゼル」と、とっても平板な発音で言い放っていたものだ(「ポルシェ」を「ポルセ」って言ってたおじさんを私は知っている)。
そもそも「ディ」とか「シェ」とか「ジェ」のつく日本語なんてなかったのだから。
でも、BMWは私が子どものころは「ベームベー」とか「ベンベ」って言っていたけど、今、そんな呼び方してる人いないよなぁ…(ちゃんとドイツ語風に言ってるのに)。なぜ?