愛すべきエンスーたち

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エンスーとは


Iエンスー Vol.8 風雲ジムカーナ(前編)

「いやー、今日は午前中雨が降っててウエット、午後からは晴れてどんどんドライになって、走るたびにベストタイムが更新されていくという素晴らしく過酷な日だった」。

兄A氏が本日の戦果を語る。
出走10台中3位。ほほー。

何の話かと言うとジムカーナである。

モータースポーツにおけるジムカーナとは、
『自動車を用いて舗装路面で行われるスラローム競技の一種であり、タイムトライアルで争われる。一般的に大会会場ごとに異なるコースレイアウト(45秒~1分30秒程度の走行タイムを想定したもの)が設定され、大会当日に参加者に公表される。競技開始前に慣熟歩行(コース内に徒歩で立ち入り、路面状態やレイアウトを目視で確認すること)の機会が与えられた後、競技が開始される。1台ずつ出走し、各競技者は2回まで走行できる。2回のうち短い走行タイムをその競技者の記録とし、より短いタイムを記録した競技者を上位として順位が決定される』(ウィキペディアより引用)というもの。

ルールはだいたい上記解説通りだが、違うのは走行本数。
2回まで走行できるどころか死ぬほど走る。
その日も20本くらい走ったという。
10台で20本、全部で200本!?アホほど走っている。

その出走10台、全部同じ車、とあるライトウエイトスポーツカーである。
「もともとの車はみんな同じなのに、乗ってみるとぜーんぜん違うんだよね、全部」
それぞれ必勝チューンナップが施されており、ギア比なんかも変わってる。
従って同じコーナーを走るのに
「おれは2速」
「おれは3速でいける」
「おれは1速に落とす」
と見解が分かれることとなる。

A氏がジムカーナをはじめてかれこれ17、8年は経つのではあるまいか。
ライトウエイトスポーツカー愛好同士が集って始まり、
それから毎年年間9戦、県内のとあるだだっ広い駐車場で開催されている。

「みんな家族つれてきたりすんの?」
「いや、男と子どもばっかり」。

17,8年も経てばそれぞれの参加者の人生にもいろいろあって、
結婚したり子が生まれたり。
家族の理解が得られずに去っていくメンバーもいたりしたそうだ。
それでも連続出場しているメンバーたちにとっては、この年間9戦のスケジュールは最優先スケジュールで、いかにこの日曜を獲得するかに心血を注ぎ、その前後の週末は家族サービスに尽くしプラマイゼロに持ち込もうとしているようである。

たしかに家族の理解は得にくいだろう。
一緒についていったところで、殺風景な駐車場を
ごわんごわん言わしながら車がおんなじコースを延々走るだけだし。
楽しいのは走る本人だけである。

しかし、走る本人たちは死ぬほど楽しいのであるから仕方ないのである。

(つづく)