
先日、パルコ前でゴスロリファッションの女の子を見かけた。最近では珍しくない光景だ。
ゴスロリ。正式には、ゴシック&ロリータと言い、ヘッドドレスを頭につけ、フリルやリボンで飾り立てた独特の洋服に身を包んだロリータファッションに少々、毒気を添えたいでたちを指す。
そんなビラビラ、ふりふりのフランス人形のような格好を見かけるたび、思い出すのは、かつて広島の街でしょっちゅう見かけていた装飾過多な車たちだ。
ダッシュボードの上を覆うチンチラとか、バックミラーからジャラジャラと垂れ下がるパールやチェーン(もちろん偽物)、フルスモークの窓に貼り付けられたマドンナののけぞる横顔とか永ちゃんが白いシルエットになったステッカー、これでもかと囲ったフルエアロに光るナンバー・・・。
ドレスアップカーとかいう上品な代物ではなく、わが道を行っているとしか思えないバリバリこてこての装飾過多な車たち。20年ほど前は、週末になると八丁堀あたりでよく見かけたものだが、時代が変われば人も車も変わってしまい、跡形もなく姿を消して久しい。寂しい限りだ。
乗りたいとは思わないが、見てみたいとは未だに思う。
私にとってデコラティブな車の代名詞は、トラック野郎だ。ご存知だろうか、トラック野郎。
1970年代半ばから後半にかけて、東映で製作された爆走トラックもの任侠映画、もとい人情映画。
菅原文太扮する星桃次郎と相棒役の愛川欽也扮するやもめのジョナサンのトラック珍道中を描いた映画シリーズ。
あのトラック野郎の世界から抜け出たような過剰な装飾にまみれたトラック達もかつては国道2号、それも三原市本郷あたりではガンガン走っていたし、そんなトラック用の装飾グッズを取り揃えたパーツ屋もどでかい駐車場を完備して軒を連ねていたものだ。
浮世絵風の派手な図柄を描いた荷台、フロントを飾るぎらぎらと鈍く光るデッキやバンパー(主にステンレスやスチール製)、夜、不敵にきらめくド派手な行灯や電飾・・・
嫌というほど見かけたものだが、今はさっぱり姿を消している。
規制の問題もあるのだろうし、威勢のいい装飾の車やトラックも、もはや「ダサい」と一蹴され、時代とともに追いやられてしまった感がある。
でも、ドレスアップカーだ、デコレーショントラックだと洗練された呼び名に変わったところで、なんとなくピンと来ない。勢いだけで、一本気な自己主張を車体で表現していた、あの車たちが懐かしい。
おっと、いけない。またもや回顧モード。こんな気持ちになるのも、最近やたらとスマートな車が増えてしまったせいかも。ないから見たくなるわけで。
こうして、見境なくぶっちぎったヤンチャな車への憧憬は続く…。