
好きになると、もっともっと知りたくなる。
どんな些細なことも、知ることに歓びがある。
その対象は、人だけではなく、いろんなものに向かう。
わたしの場合、「中国茶」に向かった。
美味しい。着香もしてないのになぜ花や果実の香りがするのか。不思議。日本茶とどうちがうのか。中国茶にものすごい種類があるのはなぜなのか・・・
驚きが、嵐のような疑問を呼び起こす。
日本茶(緑茶)は茶葉を摘み取ってすぐに熱を加えて発酵(酸化)を止める。
中国茶は、発酵の度合いなどによって大きく6つ(緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶)に分類される。その製造過程の工夫(揉んだりとか)で花や果物のような様々な香りが生まれる。もちろん、茶葉の品種や産地、摘まれる季節によっても違う。たとえ同じ茶葉でも、茶の入れかた、湯の温度、入れる器などでも全然違う表情を見せる。
ふーむ奥が深い。
日本茶と製法がちがうので、茶殻はきれいに一心三葉の新芽の姿に戻る。
この茶葉はどんな畑で育ち、どうやって茶になり、この茶壺(中国茶の急須)の中で湯につかったのだろう。畑の海抜は、霧が立ちやすいのか、肥料は、樹齢は・・・・
たぶん、畑で茶葉を育て、製茶するところまでやらなくてはわからないこともたくさんあるはずなのだ。
飲んで楽しむ「趣味」と、茶に人生をかける「プロフェッショナル」との境目が見えた。
その深く険しいボーダーを超える人ももちろんいるが、わたしは“こちら側”でとどまった。
しかし「趣味」としては、そのボーダー一歩手前まで行ってみたからこそわかる感覚があれば、もう十分に豊かで贅沢な体験が得られる。
ありゃ何の話でしたっけ、そうそう車のハナシだ。
お茶のこと話してたら尽きないからね。それはまたいつかお茶でも飲みながら。
さて車が好きになった人は、どういうところへ向かうのか。
まずはやっぱりもっともっと知りたくなりますね。
雑誌、テレビ、その他諸々、いろいろ見聞きするわけです。
モータージャーナリストの評論なども先達の目利きとしてありがたい。
が、しかし
やっぱり乗ってみないとはじまらない。
お茶だって、飲んでみないとわかりません。
しかし車はお茶のように数千円で手に入れられるものでもございません。
経済力と相談し、吟味して吟味して愛車をゲットするのです。
そしてその愛車をとことん乗りこなし、クセを熟知し、ポテンシャルを最大にひきだして操縦する楽しみを見いだす。楽しい〜。
さてそこからだ。
目が肥えてくれば、欲しい車のグレードも上がって行く。必然です。
ところが、乗ってみたい車は、ン百万、ン千万・・・・
ここら辺で相当高い壁が立ちはだかる。
もちろんがんばって(悠々と?)その壁を乗り越えちゃう方もいます。
ああ、憧れのビッグブランドネームを手に入れた恍惚。
やっぱ速いわ。街ゆく人が振り返るわ。駐車場で後光がさしてるわ。
よくわかりませんが、車好きにとって至高の瞬間でしょう。
車好き、ここに極まれり。
と、思いきや、まだまだその先があったのだ。
茶壺からとりだした茶葉を丁寧にひろげ、生前の姿に思いを馳せるような?
いや、もしかしたら茶畑まで行ってるかもな。
(つづく)
※まるでわたしの作り話のようですが、このコラムはおそろしいことにすべてノンフィクションなんですよー。