
先日車で走っていて、すっと前に滑り込んできた車があった。
ジェントルな動きで、見れば高級輸入車の2シーター。
シルエットが上品でわりと好きなんだよなとぼーっと見てると、またすっと隣の車線へ外れて行った。
と。
何気なく目をやった車内に赤いものが見える。
ん?
バンダナだ!
ヘッドレストに、赤いバンダナが巻いてある。2シーター共に。
とっさに運転席のオーナーを見ると、シルバーグレイの紳士だった。
一瞬だったけど大いなる違和感が残る。
車内の装飾ってやっぱり流行ってあるんですかね。
昔、兄A氏が大学生だったころ、はじめて入手した軽自動車(セルボ)にもバンダナ巻いてあった気がする。
その次に乗り換えた車(シティ)では、シートがTシャツを着ていた。
そのころはそういうのが流行ってたのかな。
そうやって装飾するのはひとえに車を愛してるからで、
汚れないように大事にしている現れである。
土禁(土足禁止)もそのひとつなんだろう。
それは犬に服を着せるのと同じ感覚なのではないかと思う。
愛玩、あるいはインテリア。
さて今の兄A氏はそんな愛玩の季節を過ぎ、室内への装飾のたぐいは見られなくなった。
車内は車内でも、もっと内部の見えないとこに興味が移ったからか。
先日遭遇したシルバーグレイの紳士も車がお好きなんだろう。
しかし、かつての愛玩の名残が消せないでいるんだろう。
あのとき感じた違和感は、なんか青春の燃えかすを見たような気がしたからだろう。
昔からの趣味嗜好をずっと変えないで年をとるのは悪いことではないかもしれない。
でも、年をとるごとに身につけたものでどんどん変わっていくことができたら
人は死ぬまで進化し続けることができる。
※まるでわたしの作り話のようですが、このコラムはおそろしいことにすべてノンフィクションなんですよー。