
景気の悪い話で寒々しい自動車業界ですが、そうはいっても技術者たちはひたすら進化を目指していることと思います。
ただ、どっちに向いて進化していくのかは、未来を創る大事な選択だと思う。
とにかくとにかくより速く!圧倒的なパワーとスピードを求めて
かつ衝撃に耐えうる剛性も備えた車が開発されてきたのがこれまでのこと。
世界一速い車なんか、1000馬力、車重2000kgという、ものすごいことになっている。
しかしここ数年、地球温暖化、このままじゃ危ないぞ、とざわざわしはじめ
車にも当然のことながら「エコ」が求められている。
とにかくとにかくより速く!圧倒的なパワーとスピードと
衝撃に耐えうる剛性も備え、かつ「エコ」な車・・・
それを目指して世界中のメーカーは、燃費が良くて、排気がクリーンで、安全な車の開発に取り組んできた。
「それが、車をエキサイティングじゃないものにおとしめたんだと思うんだよね」。
兄A氏が言う。
「ジャンボジェットでどんなに高速で飛んでも、誰も興奮しないでしょ。
今の高級車はほとんど“ジャンボジェット”になっちゃったんだよ」。
安心安全ラグジュアリー。
すげー!という興奮、走る喜びは少しずつ失われていったのではないか?
でかくて重くてそれをすべてコンピュータ制御する500馬力の車に乗っても、わくわくしない。どうしたことか。
自分で自分たちの首をしめていたな、メーカーの人々は気づきはじめる。
さて一方、車のマスプロダクト化も進みつつある。
発展する国々の、今まで自動車が買えなかった人たちも、どんどん廉価な車を手に入れることができるようになっていくだろう。
車人口が増えていけば、CO2排出量も当然増える。
今のエコでは間に合わない。どうする?
そろそろ、シフトチェンジが必要だ。
あるスーパーカーメーカーの社長がこう宣言したそうだ。
今、車重は2t。次は1t、重さを半分にします。
馬力も半分で済むでしょ、と。
小さくて、高効率で、環境にもやさしい、でも、速い。
これからの世界最高技術はそこを目指していくのだろう。
技術は進歩する。
さて、わたしたちの意識は?
小さい車だとバカにされる。でかい車のほうがかっこいい。
そんな意識はもう、置いていかないか。
「小さな高級車」で、未来をわくわくと駆け抜けていきたい。
※まるでわたしの作り話のようですが、このコラムはおそろしいことにすべてノンフィクションなんですよー。