
2年ほど前、矢沢永吉のLIVEに行った時のこと。
会場には、車でやって来ているファンも多く、ナンバープレートがこぞって「830」。「や・ざ・わ」なのだ。
広島ナンバーはもちろんだが、山口、島根、鳥取ナンバーの「830」車も結構いた。「わ」が「0」というこじつけぶりがおかしく、ファンの並ならぬ永ちゃんへの熱い思いを感じたものだ。
ほかにも、ファンならではのこだわりのナンバーが存在する。「1669」は元BOØWYのボーカル、氷室京介ファンに多いナンバー。「1669」で「ヒムロック」なんだそうな。「1」が「ひーふーみーよ」の「ひー」ってところが、矢沢の「わ」が「0」と同じこじつけ感があり、ほほえましい。
B'zのLIVEではボーカルの稲葉浩志にちなんだ「178」ナンバーの車が多いと聞く。長野の「松本」ナンバーも人気だそうな。ギター担当の松本孝弘の苗字にちなんだものだが、松本ナンバーの「178」はの車はほぼB'zファンといって過言ではない。
ファンならずとも車のナンバーに自分や家族、彼氏彼女の名前に語呂を合わせているパターンはよくある話。私にとって思い出深いナンバーは「Yナンバー」。数字ではない。
山口県岩国市にある米軍基地のおにいさん方が所有する車には「山口」ナンバーではなく、ローマ字の「Y」がつけられていた。
そんなことを知ってしまったのは、15、16年ほど前に米軍基地近くのクラブに通い詰めていたからだ。もろにアメリカっぽいクラブの雰囲気を好んで、広島はもちろん四国方面からも週末の夜ともなると女の子たちが岩国のクラブに遠征に来ていた。その逆もありで、週末の夜に電車や車で広島を目指すクルーカットの基地のおにいさん方が多くいたものだ。
当時、彼らが乗っていたYナンバーの車は、大半が中古の国産車。配属先が変わる度、現地に残る同僚に売っていくので、年季の入りまくった中古車が多かった。
一番びっくりしたのは、後部座席側面の窓ガラスがなくビニールシートで窓を覆って路上を走っていたYナンバー車だ。二車線の道路を同じ方向に向かって走っていて、はっと横を見ると、ゴミ用の真っ黒いビニールをガムテープかなんかでドアの窓枠に強力に貼り付けて、追い抜いていったYナンバーがいて度肝を抜かれた。
ガラスの代わりにビニールだもんな~。ある意味、その無理めなたくましさに感心してしまった。
車はあくまで道具という彼らに「土禁」の発想は皆無だろうと、そのとき悟った。
最近は、広島市内でYナンバーを見かけることもない。今でも走っているのだろうか…。
※この記事は実話をもとに書いたものです。