
うちの車にはカーナビがない。
9年前に購入したときから装備されておらず、購入して後付けもしていないので、私は未だにちゃんと操作できない。
うちの実家の車は2年前に買い替えたときから標準装備されているのだが、70が近いうちの母は未だカーナビを使いこなしておらず、昨年、父と車で鹿児島旅行をしたときも、カーナビについていけず苦労したらしい。間違い続けても目的地に着くまで延々と指示が出続け、参ったとこぼしていた。
そんな父母を連れて、先日、再度、鹿児島へ行ってきた。
昨年、あれだけやめとけとくぎを刺していたにもかかわらず、娘の忠告も聞かず車で鹿児島を目指したうちの両親(しかも、私の出張中にこっそりと!)。
カーナビに責められ、軽トラしか運転できない父には助手席でさんざん文句を言われた母親はさすがに懲りたらしく、飛行機で鹿児島入りし、レンタカーで私と交互に現地を運転するというプランにすぐさまのってきた。
で、鹿児島である。
一般道は母、高速は私と役割分担を決め、レンタカーの旅は始まった。もちろんカーナビ付きの車でだ。
サツマイモやタバコ畑が広がる鹿児島の大地を走りながら、母がしみじみと言った。
「この車のカーナビはやさしいねぇ。意地悪なうちのナビとはい大違いじゃ」
それは、自家用車のカーナビに翻弄され続けている彼女の本心からの言葉。ま、カーナビのせいと言うより、受け止め方の問題なのだが…。
カーナビ付きの車をがっつり運転するのが初めての私も、最初こそ少々戸惑ったが、そのうち慣れてきて、「この先カーブです」「300メートル先を右折です」という案内に、「はい」「わかりました」と声に出しては素直に従うのであった。
レンタカー装備のカーナビだけに、私のような超初心者や年寄りにも操作しやすいベーシックなナビが取り付けてあったのだと思う。使ってみて、見知らぬ土地を結構遠距離走行するには、カーナビは必要だとつくづく思った(気づくの遅すぎ?)。でも、ドライバーとカーナビとの相性も明らかにある、とも実感。タッチパネル一つとっても、パソコン慣れしている私と、そうでない母とでは入力の早さが違うし、カーナビの指示への反応速度にも年齢差が出る。習うより慣れろということか…。
車好きの方々は、きっとより高度な機能が装備されたカーナビを使いこなしているのだと想像する(新車に標準装備されたカーナビでは物足りず、新たにハイスペックなナビをもう1台取り付けた車好きを知っている)。いや、ひょっとしたらカーナビを使わずとも、自分が走る道はすっかり把握していて、カーナビに頼ったりしないのだろうか? そこが知りたい。
※この記事は実話をもとに書いたものです。