
男は車に惚れ、女は車の運転に惚れる。
雑誌でそのビューティフルなボディにひとめ惚れ。速攻で国産のリアルオープンスポーツカーを購入した友人がいる。乗って、「見た目だけじゃない! 中身もいい!!」とそのF-1を感じさせる乗り心地に酔いしれ、10年大事に乗り続けていたら、今年になって生産中止となり、余計愛しさが増して手放せなくなった、と言っていた。
彼のように、多くの男は車そのものに惚れる。
だが、女は違う。もちろん、車そのものをこよなく愛す女子もいるにはいるが、車を運転する男に惚れる女子の方が圧倒的に多いに決まっている。
例えば、男が車を運転する仕草。よく言われるのが、バックの時、ふり向き様に助手席に手をかけて運転する仕草。これにときめく女子のなんと多いことか(私、含む)。
ほかにも、駐車場に入る時、とっさに駐車券をくわえてハンドルを握る仕草もなかなかいいぞ!
ハンドルをひらいた右手の平でぎゅっと押さえ、ぐるんぐるん回しながら車の向きを変える仕草も、個人的には大好きだ(私もしますけど…)。
このように、女子が運転する男性の仕草にキュンとくる場面は多い(はず)。
好きな相手はもちろんだが、好きでなくても、その運転の巧さやカッコよさに、思わず惚れてしまうということがあるものだ。
先日、以前から私がず~っと欲しいと思っている車に試乗させてもらうことになった。
知人の知人が話をつけてくれ、その人に同行してもらい、キュンキュンにチューンナップした憧れの車にわずかの間、乗ることができたのだ。
でも、そこはカーショップではなく、普通の住宅街(だって、現役の所有者の車をちょっとだけお借りすることになったんだもん)。
ハンドルを握らせてもらうも、緊張とどこから他の車が出てくるかわからない不安で、スポーツカーを運転しておきながら、まったくスピードが出せない、とほほな私。
「えらい慎重じゃね」と笑われ、運転交代。その知人の知人(50代半ばのフツーのおじさん)はハンドルを握るやいなや、150メートル程の距離をいきなりギュイ~ンと疾走した。
住宅街の中なのに! さっきまでうちのマニュアル軽四車を「つなぎが悪い」とかなんとか言って、のろのろ運転していたのに! いきなり豹変して、6速マニュアルを瞬時に手繰っているではないかっ!
「どう?」と運転席でほほえまれ、不覚にも惚れそうになってしまった…。
「車の乗り心地もいいっすけど、あなたの運転もいいっす!」と思わず言いそうになって、やめた。
後で聞いたら、そのおじさん、昔、車のメーカーでテストドライバーもしていたという。
男は見た目でも、年齢でもない。運転テクがすばらしければ、幾つになっても女を口説ける! とそのとき思った。
※この記事は実話をもとに書いたものです。