
今年の夏まで「Pキャン」という言葉を知らなかった。
行きつけの美容室でカットしてもらっている最中、美容師さんが
「うちの親、こないだ、静岡まで車で行って、Pキャンして帰って来たんですよ~」
と何気なく言った。そこで初めて「Pキャン」がパーキング・キャンプ(「P泊」とも言うらしい)だということを知った。
調べてみると、全国のPキャンスポットを紹介した本が出ていたり、Pキャンしながら全国を巡っている人のWebサイトがあったり、とPキャン人口の多さに今さらながら驚いてしまった。
そういえば、アウトドア派の義妹は子どもがちいさいころ、軽のワンボックスで山登りとか川下りの集いに参加して、よくPキャンしていた。
考えてみれば、うちの10年選手のワンボックス軽も、大人1人と子ども2人ならPキャンできなくもない。その気になれば、自分でもすぐPキャンできるではないか! 知らないってことは罪なことだ…。
こんな具合に「Pキャン」という言葉を知らずにいた私だが、過去にPキャンまがいのことはしたことがある。あれは、今から14、5年前。まだ私が20代だったころ。
当時、週末ともなると、広島から岩国の米軍基地の近辺にあるクラブ(ディスコ)通いに熱中していた。
当時の愛車は、1600・3ドアハッチバックのM菱M-ジュ(ユーミンの歌がCMのバックで流れていたモデル)。残業の後、志を同じくする(?)友人の家に集まり、車に積み込んでいたクラブ用のイケイケ服に着替え、念入りにフルメイクを施し、夜の10時すぎに仲間といざ、西へ。こ1時間国道2号を突っ走り、夜の12時前から明け方まで、岩国のクラブで踊りまくっていたのだ。
夜明けとともに広島方面へ戻るのだが、夜通し踊ってるもんで、西広島バイパスに入り、佐方サービスエリアを過ぎたころから眠気が襲ってくる。なんとか耐えて運転するも、睡魔に勝てず、途中に設けられたバス停付近に車を止め、ちょっと眠ってから、また朝日に向かって車を走らせるなんてことをしていた。バイパスのバス停付近はバスが止められるようバス停前後にゆったりめのスペースがとってあるので、早朝、ひっそり車を止めて仮眠をとるのにちょうどよかったのだ。
ある日、やっぱり睡魔に勝てず、バス停から少し離れた所に車を止め仮眠していた。ちょこっとのつもりが、残業仕事と踊り疲れが重なって爆睡してしまい、はっと目が覚めたときには陽が相当高く昇っていて、バイパスもガンガン車が走っていた。もちろんバスも。何人かのバスの乗客と目があった瞬間、えもいわれぬ恥ずかしさに襲われ、そそくさと車を走らせたのだった。
本来、パーキングでないところに車止めて寝ているんだから、良い子のすることではないし、Pキャンとは言い難いのだが、「Pキャン」と聞いて一番に思い浮かんだのが、この路上居眠りの恥ずかしい思い出だった。今でも、西広島バイパスのバス停前を車で通るたび、あのときの恥ずかしさがよみがえってきて、やりきれない気持ちになる。
※この記事は実話をもとに書いたものです。