
流行りものが大好きな友人が自転車を買った。ロードバイクってやつだ。
最初は自分用と奥さん用、2台買って、夫婦仲良くペアで乗っていたらしいが、「自転車って爽快だけど、日に焼けるのよね」と、早々に奥方が離脱。
それでなくても凝り性の彼は、休みになるとロードバイクに乗っかってあちこち遠出していた。あるときは太田川上流、ある時は土師ダム、ある時は深入山(しんにゅうざん)…。
そして、ある時、広島の避暑地として名高い吉和村を目指すことを思いついた彼は、すっかり冒険野郎気分でロードバイクを走らせていたが、相次ぐ坂道についにギブアップ。目的地にたどり着く前に、奥さんに電話して迎えに来てもらったと言う。身の程を知らないとはこういうことか…
しかし、日に日に彼のロードバイク熱は高まっていき、とうとう1台では飽き足らず、2台目のロードバイクを購入するに至る。“形から入る”タイプの彼は、ヘルメットやらサングラスやらウエアなども一式揃え、週末ともなるとにわかローディと化しているのだ。
そういえば、自転車乗り始めてから、結構、メタボチックだった体型も、腹回りを中心に少しばかりすっきりしてきたみたいだ(予想)。
ぐんぐん走行距離が増えるに伴い、彼はさらなる遠征を試み始めた。
車にバラした自転車を積み込み、県北や県外などにマイカーで移動しては現地のサイクリングロード見つけて走りだしたのだ。
その話を聞いて「たかがサイリクリングに行くのに、いちいち自転車バラしたり、組み立てたり…ご苦労なこった」と冷ややかに見ていたのだが、彼のロードバイク熱はとどまることを知らず、ついには、ロードバイクが乗せやすいという理由だけで、SUV型の新車を買ってしまったのだ。おいおい・・・
ピッカピカのSUVにロードバイクを積み込み、彼は行く。
ある時は広島空港に隣接する広島中央森林公園、ある時は瀬戸大橋、そしてある時は琵琶湖!?
そうなのだ。自転車仲間を誘って、車で琵琶湖まで乗り込み、2日かけてロードバイクで琵琶湖を1周したんだそうな。おっさん、どこまで行く気なんだろうか。
先日も、広島市内から山口県光市までロードバイクで遠征したと聞いた。距離にして80キロ余り。
自宅を早朝に出発し、国道2号を西へ西へとひた走り、後から車を運転してきた奥様が彼に追い付いた時点で走るのをやめたらしい(それって遠征というより、追いかけっこなのでは?)。
もともと車好きで、どこへ行くにも車。大阪在住の孫のところへも、親を連れての北陸旅行へも、車で移動するタイプだったが、自転車に乗るようになってから遠方へ車で移動して、そこからロードバイクで走るというスタイルがお気に入りの様子。こういう車輪と銀輪の両刀遣いで楽しむローディ、今、50代を中心に増えているのではないだろうか。
でも、体力いるよな~。走るから体力がつくのか、体力があるから走るのか・・・その相関関係は定かではないが、私には真似できんことは確かだ。
※この記事は実話をもとに書いたものです。