
私は、自宅から事務所まで原付で通っている。
夕方6時半ごろに帰途につくわけだが、帰り道でよく見かけるのが、車内が発光する車、だ。
それは軽自動車の時もあれば、ミニバンの時もある。
後ろから見ると、特によくわかるのだ、その発光具合が…。
車内で白く光るヘッドレスモニター。
すべての座席後部がそれの車を時々見かけるのだが、モニターに映し出される映像が同じなので、モニターの数が多いほど、暗やみに四角いモニターが幾つも浮かび上がり、「な、なんじゃ~!?」と一瞬ぎょっとする。
近づいてよく見ると、ちゃんとしたカラー映像で、その時間帯のテレビ番組が映し出されているのだが、遠目からはモニターから発せられる光が、暗い車内では一様に白っぽい四角に見えるのだ。
シートの頭部裏側に取り付けられたヘッドレスモニターは、車の外からもまる見えで、それがすべてのシートに埋め込まれていようものなら、暮れなずむ車道でぼわんと四角い光が複数浮かびあがって、えらく目だつ。
でも、そういう車に限って、不思議と運転席以外はだれも座っている気配がないのだった。
走行中はさすがによくわからないが、信号待ちで停車しているときは、自分の停止位置前方に止まっている車が全シートヘッドレスモニター装備の車だと、いやでも(?)映像が目に入ってくる。
断っておくが、覗こうと思って覗いているわけでは決してない! 原付の停車位置によっては、車内のモニター数が多いほど流している映像が見えやすく、暗い夜道だとなおさらよくわかるのだ。まるで、車外に対して「見て! 見て!」と言わんばかりに…。
シロウトの私にはよくわからないのだが、このヘッドレスモニターも、ある種、車の高級感を演出するための小道具なのだろうか…。
私が帰宅途中に見かけるのは、いずれもシートの頭部にモニターをとりつけたものばかりだが、中には高級セダンなどのシートの背もたれの裏側にモニターを装着した車もあるようだ(このタイプだと車外からは見えにくいので、私なぞ知る由もないのだが…)。
今、家電屋に行けば、液晶テレビ花盛りだが、私が知らないだけで、車内の液晶装備度というのも人知れず着々と進んでいるのかもしれない。7インチあたりが一般的なヘッドレスモニターに対し、天井から吊り下げるフリップダウンモニターになると画面も9とか10インチに大きさもアップ。さらにはそれでも満足できず、13インチぐらいある家庭用の液晶テレビを取り付けているケースもあるというのだから、仰天である。
いまだに自家用車にカーナビも付けずにいる私なんぞからすると「なぜ、そこまで車内にテレビを?」と思わずにいられない。しかし、とどまることを知らない車内の液晶化現象を知るにつけ、これって同乗者への配慮(実際に小さい子供がいる場合は、ヘッドレスモニターの活躍度はかなり高い)であるとともに、車内のステイタスを上げる格好の“男のアクセサリー”ってことなのかとも思う。
車内のリビング化はまだまだ続く。
※この記事は実話をもとに書いたものです。